今月のアニメ雑誌の雑感(2022年11月号)

『月刊Newtype

◆書店で「表紙が華やかだな」と思った。Newtypeの表紙にガンダムの顔があるとホッとする。キャラもいて密度感もあって好き。ちなみに表紙と裏表紙が一対の絵になっていた。

◆「井上俊之の作画遊蕩」、ゲストは前回に続き吉田健一さん。主にキャラクターデザインの話題。キャラクターデザインが際立って個性的な場合、昔のアニメでは統一感ある絵作りが難しかったけど、今はワークフロー次第で可能な時代になっている、だからもっと有っていい、みたいな話が印象に残った。視聴者としても、多様な絵柄であってほしい。

チェンソーマン』、瀬下恵介PDインタビュー。枚数制限をしないでリアルにこだわる、という話を読んで期待が高まった。

サイバーパンク:エッジランナーズ今石洋之監督インタビュー。『Cyber​​punk 2077』のゲーム内の街をまるごと探索してロケハンに使えたので、レイアウトや美術の質の向上に活用できたという話が「AAAタイトルが原作だとそういう恩恵もあるのか!」と思った。あと、普段のアニメでは吉成曜さんの格好いいデザインをボツにしてダサく直させているが、今回はゲームファン向けなので格好いいデザインを採用しているらしい。僕はNetflixに未加入なのでまだ観てないけど、普段の今石作品と若干違う雰囲気なのかなと思った。

◆放送予定表で『Do It Yourself!! どぅー・いっと・ゆあせるふ』の2話以降のスタッフを見ると、笹木信作さん、江畑諒真さん、今岡律之さん、松尾祐輔さんといったお名前があり、ワクワクする。4話は「絵コンテ・演出・作画監督=米森雄紀」と書いてあるけど、お一人で全部を!? 今後の楽しみが増した。

アニメージュ』(dマガジン版)

◆監督が『ペルソナ ~トリニティ・ソウル~』松本淳さんだと知って、少し気になっている新作映画『僕が愛したすべての君へ』。監督インタビューでは、フランソワ・トリュフォー突然炎のごとくをお手本にしたと語られていた。どんな映画なんだろう。

◆キャラクター人気投票のページ。今後は、1読者が2キャラに投票できる仕組みに変わるという告知あり。「投票数が減ってきてるのだろうか!?」と思ったが、「では他誌の人気投票はどういう仕組みなんだろう?」と確認してみると、Newtypeは男性キャラと女性キャラを1人ずつ、計2票投票できる仕組み。アニメディアは1読者が2票投票できる仕組みだった。ということは、むしろアニメージュの1人1票制の方が特殊だったのか。

◆編集後記で、アニメの取材現場に現れる一般誌ライターの良くないふるまいに対する怒りが書かれていた。読者には見えないところで、いろんな苦労があるのかな……。

アニメディア』(dマガジン版)

◆「知ってるようで意外と知らない!? アニメのお仕事」のコーナー、今月は『Do It Yourself!! どぅー・いっと・ゆあせるふ』の「DIY監修」のスワロさん。「意外と知らない!?」どころかまったく知らない仕事である。役目としては、高校生の主人公たちが作りたくなるようなかわいい工作をデザインする作業や、登場人物の工具の習熟度と作るものとのバランスを調整するなど、多岐にわたるようだ。確かにそういう目配りをする専門家は必要そうだなぁと納得。スタッフのDIY体験が作中の描写に活かされているという逸話も印象に残った。