今月のアニメ雑誌の雑感(2023年4月号)

『月刊Newtype

◆「新房昭之のあの人とヒミツの話」。ゲストの倉田英之さんが「買うことに対する悩みがない。本も映画も自分で作ったら莫大なお金がかかる。その点、制作費10億円の映画の映像ソフトを5000円で分けてもらえるなら安い」みたいな話をしていて、僕には無い考え方だったので印象に残った。僕は買うことに対する悩みはあるなぁ。

◆新作映画紹介コーナー。ガイガン山崎さんが、スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』について書いていた。僕は既に鑑賞済みで「これはぜひ解説を読みたいけど、モンスターが出てこないから、ガイガンさんは書かないんだろうな」と思っていたので、予想が外れて嬉しかった。「こういう瞬間が描かれる」という文章を読んで、「ああ、漠然と受け取っていたけど、言葉で整理してみれば確かにそうだ!」と理解が深まった。

◆「井上俊之の作画遊蕩」。ゲストは『たてなか流クイックスケッチ』でもおなじみの立中順平さん。記事中でも「実は会ったことは一度しかなくて」と語られていたけど、見るからに珍しい組み合わせ。僕はディズニー作品に対する興味が薄いので、本質的なことはほとんど受け取れていないと思うけど、それでもこういう試みが行われる「雑誌の良さ」と、立中さんに幅広い知識で切り込んで話を引き出すインタビュアーとしての井上さんの凄さが味わえた。

花澤香菜さんの連載で「デビュー20周年」という言葉をチラッと見かけて、「20周年!」と素直に驚いた。

◆脚本家の小太刀右京さんが、復刻版の逆襲のシャア 友の会』に言及していて、入手性が高まることって大事だなと思った。

アニメージュ』(Kindle版)

「設定資料FILE」は『お兄ちゃんはおしまい!』。ちょっと模写してみたくなる画。表情集がお腹の辺りまで描いてあって服を着ていないのだが、胴体が「生々しい肉体!」と言うよりは「素体」的な印象を受けるのは如何なる線の作用によるものなのだろうと思った。あと、今月号は、奥付に前Qさんの名前があって珍しいなと思ったのだが、Twitter情報によると、この記事のテキスト類の担当とのこと。