『ゲゲゲの鬼太郎 河童のテラフォーミング』の感想

 「ゴールデンウィークだから出かけたい。でも人混みは嫌だ」「じゃあ人が少なそうな観光スポットに行けばいいじゃない!」ということで、浜岡原子力発電所の横にある浜岡原子力館に行ってみた。期待通り、人はまばらだった。

 そしたら、施設内のシアターで『ゲゲゲの鬼太郎 河童のテラフォーミング』というプラネタリウム用の短編を上映していた。「原発で鬼太郎の映画ってミスマッチすぎない!?」とか「なぜ河童!?」とか思いながら、せっかくなので観てみた。

『ゲゲゲの鬼太郎 河童のテラフォーミング』

 映画の主張としては、火星に送り出す宇宙飛行士には河童が最適なのだという。なぜなら、宇宙の長旅は人間には苦痛だが、身体を「脱水」させられる河童なら、休眠している間に目的地に着く。そして、火星到着後に水を浴びて身体を戻せばよい、という理屈。「脱水」する身体を宇宙生活に活用する発想が『三体』みたい!と思ったが、影響受けてるのかな。

 それで、JAXAの宇宙飛行士候補として、河童のカー助をねずみ男が発掘。カー助は、容貌にコンプレックスがあり、片思いの恋で悩んでいるのだが、宇宙飛行士になればモテるとそそのかされる。

 で、さまざまな訓練を受けるのだが、とある誤解が元で「宇宙飛行士がモテるって言っても、結局は、ただしイケメンに限る、なんだろ!」とキレて暴れ出す。すると、河童の美少女ジョセフィーヌが「いやいや、別に容姿だけで判断しないから…」というルッキズム批判的な話をして、冷静さを取り戻したカー助は宇宙に旅立つ。

 大傑作とかではないが、河童と宇宙の組み合わせに意外性があり、「今より宇宙開発が進んだ未来がちょっと楽しみだな」という気分にもなったので、観て良かった。たまにはこんな映画も悪くない。

 

 絵コンテ・監督は四分一節子さん、制作協力マジックバス。

 「昔のレンタルビデオ屋で知らないアニメビデオに出くわしたら、体感的に8割はマジックバス作品(四分一節子 or 出崎哲)」という感じだったのを思い出して、「久しぶりに出くわしたな、マジックバスの知らないアニメに……!」と思いながらシアターを後にした。

www.youtube.com