『アニメを読む 特別講座「君にも描ける!絵コンテ講座」』提出作品

 1月17日に、アニメ評論家・藤津亮太さんとゲスト講師・京田知己監督の『アニメを読む 特別講座「君にも描ける!絵コンテ講座」』を受講しました。
 僕は一介のアニメファンなので「絵コンテを描きたい」とか「絵コンテが巧くなりたい」という欲求はないのですが、京田監督ファンでもあるし、演出家の視点を学ぶのは今後の映像鑑賞に役立つに違いないと思って参加しました。

 

<お題>
 当日与えられた「脚本」と「舞台設定」を元に、1時間程で絵コンテを起こして提出。キャラクターデザインや人物のバックボーンは自由だが、絵コンテの中だけで表現する。尺は1分を目安に。

タイトル『公園にて』
   街中の公園。行き交う人々の向こう、
   トラムの軌道を背にして男と女がベンチに座っている。
女「……話って?」
   うつむき答えない男。
女「用もないのに呼び出したの?」
男「用は……あるさ……」
   長い間。
女「……行くわ」
   意を決する男、女を見る。
男「……あのさ」
   そこに近づいてくるトラム。
   警笛を鳴らして2人の背後を通過していく。
男「XXXXXXXXXXXX」
   トラムが過ぎ去り静寂が戻って来る。
   女を見つめる男。長い間。
男「……聞こえてた?」
女「……」
   答えない女。
   肩を落とす男に女が言う。
女「……私もよ」

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<提出作品>

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<講評>

 京田監督の講評では、「面白くて惜しい」という比較的良い評価が頂けました。これは嬉しかったです。
 具体的には、線路のカットを繰り返し大胆に挿入して、映像にテンポを生んでいるのは映画的でよい。男がずっとスマホを見ていて女の人を見ないとか、女の人は帽子をかぶっていてタバコを吸いっぱなしっていう要素も面白い。だけど、これだと線路が出てきただけで終わってしまう。線路がこの会話劇の何かと密接に繋がっているようにした方が、よりコンセプチュアルになる。それと、オチは「私もよ」という台詞だけじゃなくて、女の人もケータイを見せて、実は同じラーメンMAPを見ていたとか、そういうオチにした方がよいかも。あと、この内容なら「PG12」じゃなくても大丈夫(笑)、というような内容でした。

 

<感想>

 実際絵コンテに挑戦してみると、カメラの位置や人物の芝居など、自分で決めなければいけないことが意外に多く、時間にも限りがあるので、頭がパンクしそうになりました。それで、なんとか提出したのですが、線路の画を心情表現に活かせばより良くなるという指摘には「確かにその方が綺麗にまとまる!」と、とても納得しました。
 あと、脚本に無い、ウケ狙い的な要素を加えたので「ふざけてると取られて怒られるかな……」と心配でしたが、大丈夫だったことにもホッとしました(小心者なので……)。それと、季節や時間帯に対する意識が完全に欠けていた点は、提出後に反省しました。
 僕は提出するので一杯一杯でしたが、他の受講者で、この短時間で「暗喩」まで盛り込んで綺麗にまとめた方が居て、凄いと思いました。

 

 講座では、受講者が提出した絵コンテへの講評以外に、京田監督ががどんなことを考えながら映像を組み立てているかや、アニメの特性など、演出家視点の話をたくさん聞くことができました。それは普通に聞いても興味深い内容なのですが、実際に絵コンテを描いてみた直後だったので「そんなこと自分は考えもしなかった……」とより強く心に響く部分があり、新しい視点が血肉になった感覚が強かったです。今後の映像鑑賞の参考として、とても有意義な講座でした。

 

 第2回も(来年?)開催されそうな感じでしたので、アニメ演出に強い関心を持っている方にはオススメです。

「第6回アニメレビュー勉強会」提出原稿

7月7日に、アニメ評論家・藤津亮太さん主催のイベント「アニメレビュー勉強会」に参加しました。参加したのは、第1回、第2回以来で3度目。

藤津亮太の「只今徐行運転中」:第6回アニメレビュー勉強会、告知です - livedoor Blog(ブログ)

 

今回の課題アニメは、『ランゴ』と『銀河鉄道の夜』の2本。

僕は3DCGアニメの知識に疎いので、原稿執筆をきっかけに少し勉強しようと思って『ランゴ』の方を選びました。(結果、点数順で3位でした)

 

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